#あらすじ
日出る国の中心部には、古くから「湯の神」が鎮座していた。
湯の神は地上に出向いては湯を湧かし、傷ついたすべてのものに
あたたかい癒しの恵みを与えていたのである。
だが。
時が過ぎるにつれて人口が増え、湯の神ひとりではすべての人を
癒すことができなくなった。
湯の湧かない地が増えるにつれ、人々の心は冷えきり、傷つき、
立ち上がれないものも増えていくーー。
そこで湯の神は、自身を泉質ごとに分解し、
分身である泉士(せんし)を作った。
そう…彼らこそが、
「おんせんし」である。
湯の神は言った。
人を癒すのは簡単ではない。
歌い、踊り、音のエネルギーを呼び起こせ。
場を沸かし、湯を湧かす。
さすれば、冷え切った人々の心も再び沸きたつであろう。
さあ、ゆけ、おんせんし!
おんせんしたちは、
この世の「たたかい」を
「あたたかい」に、
「くもり」を「ぬくもり」に変えるべく、
今日も温泉地で音楽を紡ぐ。
さあ、湯を
わかしにいくよ